Homecomings

WHALE LIVING

2018.10.24 Release

RELEASE

Homecomings
3rd Album『WHALE LIVING』
2018.10.24 Release

PECF-1162 / felicity cap-292 
¥2,400+tax
全10曲収録
felicity / SECOND ROYAL RECORDS

【店頭特典情報】
▼タワーレコード
ポストカード(未発表音源「Continue(DEMO) / P.S.」DLコード付)
▼HMV
ステッカー
▼JET SET
インタビューCD-R「Homecomingsの男の60分」
▼FLAKE RECORDS
缶バッジ
▼ココナッツディスク(吉祥寺店、池袋店)
手描きコード譜

【セット販売情報】
▼ディスクユニオン
CD+手ぬぐい ¥4,000円(税込)

ポストカード

手ぬぐい

【店頭特典情報】
▼タワーレコード

ポストカード(未発表音源「Continue(DEMO) / P.S.」DLコード付)
▼HMV
ステッカー
▼JET SET
インタビューCD-R「Homecomingsの男の60分」
▼FLAKE RECORDS
缶バッジ
▼ココナッツディスク(吉祥寺店、池袋店)
手描きコード譜

【セット販売情報】
▼ディスクユニオン

CD+手ぬぐい ¥4,000円(税込)

ALL SONGS REVIEW

海のそばの小さな町に昔からずっとあるメロディ。眠れない子供のためにお母さんが歌うような、そんな風にして忘れられないでいる。優しさによって守られているメロディ。海のそばの小さな町は、はなればなれの人たちが住んでいる舞台ではなくて、手紙が届く/手紙を届ける不思議な場所の近くの町。つまりWhale Livingがある海のそばの町。

忘れないようにするにはどうすればいいのか、二羽の青い鳥たちは歌にすれば忘れずにいられるんじゃないか、と信じているけどそれは本当に?レコードにならなかった歌はどうやってこの世界に残っていくのか、そんなタイニー・ソングスをこっそりと持ち帰る煙の中の幽霊たち。幽霊たちのことを僕はずっと考えている。苫小牧の真っ白な雪の町並みと大きな煙突からもくもくと吹きあげて、町をすっぽり覆ってしまいそうな煙の歌でもある。タイトルは大好きなポール・オースターが書いた映画から。

遠くに離れた生活を考える女の子。「ハルダウン」というのは海の上で遠くを指す言葉で、江國香織の『神様のボート』という小説の中で出てくる。離れすぎて蜃気楼のように見える姿。完全に見えないわけではなくて、帆の部分だけが遠くに見えるような、そんな遠くの生活。彼女が訪れる海はWhale livingがある町の海じゃなくて、都会から電車で行ける海。彼女は海のそばの町から大きな街のすみっこに出て暮らしている。何もないような暮らしの中で、スタンプカードを少しずつ埋めていくようにして。そして彼女は手紙を書く。そっちの町もこの町と同じようによく晴れていることを願いながら。

アルバムの中に緑色がほしいな、と思って書いた歌。新しい生活のワクワクした足取りで、それでも遠くを思う男の子。彼は意外と天気に左右されるから、こんなに晴れた日曜日には手紙を書こうと思いつく。parkのような町から町へと。そこは暖かくて居心地がいいけれど、気がつくとどこにいるのか分からなくなるような迷路にもなる。そんな時はマッチを点けて、小さな幸せと彼女が書いた小さな歌を思い出せばいい。それはきっと何よりも明るいはず。

天気が良くないから、彼は少し感傷的だ。でも決して投げやりなんかじゃない。それは精一杯の優しさ。そこが君に合っているなら、という少し悲しい祈り。返事はいいから、とつい手紙の最後に書いてしまうのはなぜだろう。読まなくてもいいから、と思ってしまうのはなぜなんだろう。彼は一つ咳払いをして考える。もっとも遠い距離のことを。

色んな場所につながる長くて静かな廊下。その扉を一つ一つ開ければ、途端にその静けさは隅に追いやられてしまう。どれを開けても同じこと、寂しくないことなんて何一つだってないのだから。

夕方と夜の間。夜と朝の間。匂いも温度も全然違うけど同じ色の町。何かと何かの間のほんの少しの時間。それはどこか別の世界への扉のように不思議で美しい時間。僕らは言葉を信用しすぎているのかもしれない。彼や彼女が魔法を失くすとき、怪物に踏み潰されるとき。そして僕らは寂しいままだ。

海に雨粒が落ちる光景をみたことはある?僕はある。僕が育った町の駅を挟んで向こう側には驚くほどすぐ海が広がっていて、高校生の頃僕はよく学校帰りにその海で図書館で借りてきた本を読んだり、食べきれなかったお弁当を食べたりしていた。夕立というものには京都に来てから初めて出会ったけど、たまにその海にも一瞬だけ雨が降ることがあった。僕はビニール傘を広げて、水面も様子をじっと見ていた。時間はどんどんすぎていって、すぐに雨が上がって夜がきた。
海のそばの小さな町に雨が降る時、彼女が住む町に雨が降る時、彼が住むParksに雨が降る時、それぞれはそれぞれの町の天気のことを考える。空模様が違うぐらいにはなればなれになってしまったことを、素直に寂しく思いながらペンは手紙を書き進める。

海の底の暖かな場所。海底に小さく光るランプ。出されなかったまま引き出しで眠る手紙や、ぐしゃぐしゃにされてゴミ箱に放り込まれた手紙。書きかけの手紙や、書かれなかった手紙。そんな幽霊たちはこの場所に集まり、形を変えて誰かに届けられる。海の底の小さな家具。それはまるで不思議な郵便局。想いはどうしても伝わってしまう。それはとても長い時間をかけてだったり、不意にだったり、時には本人が望んでいないことでもだ。そんな場所の歌。海のそばの小さな町ではそういう不思議な出来事に、こんな物語をつけて歌にした。
Whale Livingという場所は大雑把に言い換えてしまえばそれはつまり”優しさ”。ふとした瞬間の隣にいる人へのささやかな優しさ。人は優しくあるべきだと思う。それがたとえ幻想だとしても。隣に眠る人に毛布をかけ直すような、前に歩く人の落し物をかがんで拾うような、それはもっと簡単な、たとえば他人に席を譲るような、そんな優しさと同じような所作で、手紙はそっと届けられる。

近づいてははなれていく二つの線の歌。距離。たった今好きになった、こととあの瞬間に好きになったこと、それを忘れないように歌にすること。西日。それぞれの歩くリズムで重なるアルペジオ。何回目かの同じような春。嵐の後の生暖かい風とビニール袋。絡まり縺れるあやとり。物語を幕をそっと下ろす二羽の青い鳥。彼女たちは歌う。誰もささやかな大事なことを忘れないように。彼女たちが思いを閉じ込めた歌にまた誰かがその思いを閉じ込める。そうやってメロディはそれぞれのものになっていく。そうやってメロディは記憶と感情を乗せて遠くまで残っていく。

タワーレコードの特典用に書いた曲。歌詞を書いてたタイミングで自分がめちゃくちゃ好きで憧れてる人が亡くなって、そのことをすぐに歌詞にした。物語を作るその姿勢や描き方にとても影響を受けていて、最近その人の作品を見直していたところだったので、ショックな気持ちと不思議な気持ちが同じぐらいだったけど、その何倍も何倍も寂しくなった。誰かがいなくなって寂しくなるって案外はじめてのことかもな、と思った。寂しいし悲しいけどまだまだ続いていく、っていうそういう歌。日曜日の18時の歌。この歌があなたの好きな歌になるように。

by Yuki Fukutomi

TOUR

2018.11.08(木)
京都・同志社大学寒梅館ハーディーホール
w/ 岸田繁(くるり)
開場:17:30 開演:18:30
前売:2,500円(税込・全席指定)
※ぴあ(P:126-621) 、ローソン(L:56234)、e+
※チケット購入特典:Homecomingsによる京都新聞CMソング「アワー・タウン」のCDを入場時にプレゼント。
問:SMASH WEST 06-6535-5569

「LETTER FROM WHALE LIVING」TOUR

2018.11.30(金)
広島・広島4.14
Oneman Show
開場:18:30 開演:19:00
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:129-776) 、ローソン(L:61540)、e+
問:夢番地 082-249-3571
2018.12.01(土)
福岡・福岡UTERO
Oneman Show
開場:18:00 開演:18:30
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:129-867)、ローソンチケット(L:83947)、e+
問:BEA 092-712-4221
2018.12.08(土)
石川・金沢GOLD CREEK
Oneman Show
開場:17:00 開演:17:30
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:130-143) 、ローソン(L:54091)、e+
問:サウンドソニック 076-291-7800
2018.12.15(土)
北海道・苫小牧ELLCUBE
w/ NOT WONK、YOU SAID SOMETHING
開場:17:30 開演:18:00
前売:2,500円(税込)
2018.12.16(日)
北海道・札幌COLONY
w/ NOT WONK
開場:17:30 開演:18:00
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:130-142)、ローソンチケット(L:11928)、e+、タワーレコード札幌PIVOT店
問:SMASH EAST 011-261-5569
2018.12.22(土)
大阪・梅田シャングリラ
Oneman Show
開場:17:30 開演:18:00
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:129-863 ) 、ローソンチケット(L:55203) 、e+ 、FLAKE RECORDS 、SECOND ROYAL SHOP 、JET SET KYOTO
問:SMASH WEST 06-6535-5569
2018.12.24(月・祝)
愛知・名古屋APOLLO BASE
Oneman Show
開場:17:30 開演:18:00
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:129-801) 、ローソン(L:43463)、e+
問:JAILHOUSE 052-936-6041
2018.12.25(火)
東京・渋谷CLUB QUATTRO
Oneman Show
開場:18:00 開演:19:00
前売:3,500円(税込)
※ぴあ(P:129-746) 、ローソン(L:74994)、e+楽天チケット、Quattro(店頭販売のみ)
問:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

一般発売 10/20(土)

GOODS

PROFILE

Homecomings

※L→R 福富優樹(Gt.)、石田成美(Dr./Cho)、畳野彩加(Vo./Gt.)、福田穂那美(Ba./Cho)

京都在住の4ピース・バンド。The Pains of Being Pure at Heart / Mac DeMarco / Julien Baker / Norman Blake(Teenage Fanclub)といった海外アーティストとの共演、3度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。

2016年2ndフルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』、2017年に5曲入りEP『SYMPHONY』をリリース。同年新たなイベント「New Neighbors」をスタート、Homecomingsのアートワークを手掛けるイラストレーター”サヌキナオヤ”氏との共同企画で彼女たちがセレクトした映画の上映とアコースティックライブを映画館で行っている。

FM802「MIDNIGHT GARAGE」での月1レギュラーコーナーは3年目に突入、2018年4月から始まった京都αステーションでのレギュラー番組「MOONRISE KINGDOM」は毎週水曜23:00放送中。また4月21日全国ロードショーとなった映画「リズと青い鳥」の主題歌を担当している。

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