Interview

前編後編特別編全曲紹介

comment by 福富優樹

1. SETTEL DOWN

この曲は割りと早い段階からありました。とはいうものの2014年の五月ぐらいなのでいかにぎりぎりで曲を作ってたのかが分かりますね。元は彩加さんが作ってきた簡単な曲だったんですけど、4人で合わしていくうちに影も形もなくなりました。ホームカミングス史上一番ヘンテコな展開です。A-B-間奏-A-ギターソロ-大サビ、、、文字にするとそうでもないですね。とにかくそれをポップに聞かせる力量!!いつまでもシンプルなギターポップだと思うなかれ。参考にしたのはDOMっていうバンド(最高)の最初のEPに入ってる「I Wonder」っていう曲です。そこにペイヴメントの幻の未発表曲(名曲!!)から拝借したギターリフ乗っけて、それでも飽き足らず間奏部分にはストロークスの大名曲から頂いたブレイクをサンドするワガママっぷりです。後半のギターはなんとなくBUILT TO SPILLを意識しました。一曲目を作ろうってことで作った曲なのですが、我ながらナイスな一曲目。スピッツ「ハヤブサ」における「今」的な感じすねー。歌詞は完全に彩加さんなんで本人に聞いてみてネ。

2. DANCING IN THE MOONLIGHT

この曲の原型はアルバム作るってなる前からあったんですけど、完成までかなりかかってますな。サビのコード進行だけ彩加さんです。The TartansっていうバンドがCloudberryから出した「My Baby Doesn’t Care For You」っていう曲を意識してます。曲名はThin Lizzyの名曲から、あと心から愛して止まないBEAT CRUSADERSの隠れすぎた大名曲「Last-Minute」も参考にしてます、どちらもギターソロが最高!ってことで僕も頑張りマシータ。もともとはベースのほなみさんのお姉さんが結婚するってことで、お祝いソングとして作り始めた曲なので歌詞がえらいロマンチックな仕上がり。我ながら素敵な歌詞。Felicityの看板娘で僕らの担当の井戸ちゃんがえらい褒めてくれました。井戸ちゃん最高!
あのスミスみたいな曲良かったです!とか、あの曲プリミティブズみたいですね!ってよく言われます。この前地元の友達の結婚式でこの曲演奏できて感無量でした!かいしチャン!おめ!

3. GREAT ESCAPE

この前公開されてた、ほなみ&なるみリズム隊インタビューBY田中亮太ちん読んでいただけたでしょうか?普段インタビューでほとんど喋らない二人のあれこれ、そして「メジャーにいったバンドは急にハットとか被りだすなぁ」というまさかの大オチまで一気に駆け抜ける面白インタビューなんですが、その中で唯一引っかかったのがこの曲がTHE 1975っぽすぎて不安になった、ってところどす。確かにキメのところのフレーズは、これ大丈夫かなぁってなったけど!元々この曲は「1975みたいなやつ作ろう!」ってなって作り出したんですが、やってみるとこれがなかなか難しい。そこで僕と彩加さんであれやこれやと試した結果THE 1975の影響元まで遡ってそれを参考にしよう!ってなことで、もともと僕らも大好きな80sポップスのフレーバーとCandy Flip的なマンチェスターのリズム感を僕らなりにやってみました。ちょうど僕となるみさんの間でブレイクビーツが流行りだしてた時期だったこともあって四人で合わせ始めてからは意外とすんなり出来た覚えがあります。レコーディングではなるみさんが大苦戦してたみたいで(ぼくは棚卸ししてました)たまたま見学に来てたodd eyesのシュート君が「ドラム録ってるとこしか観れんかった」って言ってました。頑張ったね!このグッとくるコード感、我ながらたまりません!!この2曲目、3曲目の曲順は最後の最後まで悩みました。PVがこれまた最高なんだな~。ちなみにBlurはセカンドと「Parklife」が好きです。この曲も歌詞は僕です。

4. MALL

せっかくクリスマスイブが水曜日なんだから絶対に発売日はイブ!誰がなんと言おうとイブに出すんじゃい!と我がまま言った結果ほんとにクリスマスイブにリリースすることになったので急いで作ったクリスマスソング。ちょうど梅雨の時期だったので気が狂いそうでした。彩加さんが弾き語りで作ってきたやつにサビを足して間奏をあれやこれやと試して完成。僕と彩加さんの永遠の青春、BEAT CRUSADERSのこれまた隠れた名曲「OTHER SIDE THE WALL」をイメージしマシータ。さらっと作ったような気がしてたけど、アイフォンに録音してた制作過程を聴いてたら苦労した思い出が湧き出てきました。バッキングのギターの音色が上手く作れずに悩んでいたのですが、レコーディングではSGを使って即解決しました。FM802の最高の名物番組「ミッドナイトガレージ」でスタジオライブした時に炸裂した「エルモと一緒ver」がお気に入りです。余談ですがこの曲のギターソロのどっかで聴いたことあるな~なんやったっけな~感が未だに未解決なので思い当たるものがある方はご一報ください。この曲の歌詞は彩加さんです。

5. WINTER BARGAIN

これはもともと「I WANT YOU BACK EP」に入ってたアコースティックの曲をライブ用にバンドでアレンジし直したものです。最初は冬しかやらん!って思ってたんですけど結局一年中季節問わず演奏してます。ライブでやるとかなりグッとくることが多いです。よく出来たアレンジですな。特に間奏のギターソロとブレイク部分。もともと彩加さんとふざけてスピッツの「ルナルナ」のコード進行弾いて遊んでたらできた曲です。あとあとになって大親友Hi, how are you?の冬の大名曲「バンホーテン」と似てることに気付いたので、勝手にアンサーソングもしくは兄妹ソングだと思ってます。彩加さんのWHAM!を意識した歌詞にも注目!

6. SOMEWHERE

平賀のさっちんはこの曲が一番好きって言ってました。こりゃ名曲、かなり気に入っています。ぼくが心から心酔しているPAVEMENTの色んな曲の色んな部分を拝借したアレンジになっています。それだけじゃ飽きたらず、マルクマスのソロにも手を出す始末。PAVEMENTファンの方はどの曲のどの部分が使われているのか探してみてください!彩加さんの歌詞も切なくて最高。ダメ男のハートに沁みる、、、、。この曲だけタイトルがずっと決まってなかったんですけど、先に決まっていたアルバム名から取ってなんとなくアルバムの中心に置いたら良い感じになりました。ナイス曲順。ナイス曲名。そしてナイスギターソロ!好きなリズムなのでライブでやるのも楽しいです。やっぱり良い曲だな~!!Homecomings名物グッとくるコード進行炸裂しとるがいね。明日を夢見る少年少女に一言アドバイスするとしたら、「マイナーコードの使い方を工夫だ!」ってことやわ! やってみよっさ!(加賀温泉卿フェス今年も出してくれ~)

7. LEMON SOUNDS

僕は個人的にこの曲が一番気に入ってます。先述のインタビューを呼んでいただいていればお分かりの通り、このアルバムを作るにあたって一番揉めた曲です。原型は「DANCING IN THE MOONLIGHT」よりも先にあったので完成までに一年ぐらいかかってます。僕と彩加さんの中では相当自信があった一曲です。ダニエルパウターの最高すぎる1st(BAD DAYだけじゃない!名曲だらけ!)とPAVEMENTの「Major Leagues」、おまけにささっと「Carrot Rope」のフレーバーも振りかけております。曲名は高校の時の授業で読んで以来ずっと僕の中に残っている梶井基次郎の短編「檸檬」と、VAMPIRE WEEKENDの幻のニセ3rdから。アルバムのセルフライナーノーツにもあるように、このアルバムは僕が大学四年間を過ごした寂しい町と夜っていうのがテーマになっていて、僕の中でこの曲はそのテーマが一番反映されているっていうイメージです。歌詞はまさにあの町を散歩してた夜のことです。これはアッと驚くぞ!という仕掛けを歌詞の中に忍ばせたのですが誰にも気付いてもらえませんでした。フライパンから飛び出した目玉焼きのことを入れることができたのと、odd eyesとHi, how are you?の歌詞を引用できたのが嬉しいです。

8. I WANT YOU BACK

この曲に関しては「I WANT YOU BACK EP」のライナーに書いているのでそれを読んでほしい!我ながら素敵なライナーになっております。Homecomingsの初ライブは2012年4月にあった、大学の新勧イベント(イベントというか文化祭!)なんですが、その時からあった「MOTOWN」という曲を下敷きにして作りました(ちなみにその時のレパートリーは他に「SUNDAY」と「HOILDAY」の2曲、「HOILDAY」懐かしい、、、、)。ちょうど「Homecoming with me?」を録音してるぐらいの頃だったと思います。僕らが大学の部室で作った最後の曲です。サビのギターはSTROKESのつもり、、、、。Cメロの部分が今のバージョンの他にもうひとつあって、FRUITYの「Trend」のサビのコード進行をぶち込んでるっていうヤバいヤツでした。(なるみさんと一緒にFRUITYコピーしたの懐かしい!)次ユアソンと一緒にやるときは是非別バージョンで披露したいでっす。この曲のおかげで色々嬉しいことがあったので、本当に作ってよかった~と思える曲のひとつです。西くんが作ってくれたPVも最高!西くんのアニメNHKで流れてて嬉しかった~。来年の今頃、ハイハワユ馬渕っちゃんと田中の亮太ちんに捧げているであろう一曲。

9. PAPER TOWN

500日のサマーのエンディングをやろうとして挫折、様々なリズムパターンを試しているうちにこのリズムに。家に帰って練習録音したやつ聴いて、あれ?これNEW ORDERじゃない?ってなったけど締め切りギリギリだったから今更皆に「権力の美学」回す時間も無いぞ!ってことで僕と彩加さんだけ勝手にNEW ORDER+スマパンのつもりでやってます。彩加さんと一緒に出席&出演した地元の友達の結婚式の二次会でNEW ORDER流れてて皆でぶち上がったの良い思い出です。石川県の中古屋は品揃えがヤバくてそのおかげで今があるようなものです。無くなっちゃった加賀温駅前のブックオフ良かったなー。万台書店と浪漫遊はまだまだ現役でヤバイ品揃え!この曲の歌詞は本当に良く書けたなと思います。良い歌詞だなー。昔から夜に散歩したり窓から外見るの好きだったんですけど、たまに月明かりの具合とかで町が変に明るくて作り物みたいに見えるときがあるんですよねー、っていうのと大好きな映画「トゥルーマンショー」とこれまた好きな映画「ペーパームーン」を、っていう感じですね!でっかいステージで演奏したら気持ちよさそ~。とにかく歌詞を読んでほしいです!

10. GHOST WORLD

Hi, how are you?の原田くんが高校のときに作ったっていう名曲「GHOST WORLD」にインスパイアされて作りました、もちろん漫画も映画めっちゃ好きで、、っていうのが2年前ぐらいに作った「GHOST WORLD」っていう曲で、一回だけライブでやって一瞬でボツに!つまりこの曲はいわば「GHOST WORLD part2」っていう感じです。アルバムのテーマを決めて、じゃあそこにはどんな曲があってほしいかな~と考えてたときにたまたま映画を観なおして、この世界観とアルバムの感じってうまくハマるんじゃないかしら!って気付き、もう一度作ってみることにしました。透明雑誌の「透明雑誌FOEVER」をなんとなく意識しています。ちょうどシャムキャッツが「AFTER HOURS」出した頃でダニエル・クロウズだったりエイドリアン・トミネだったりの名前がインタビューに出てたりしてたので、なんだか先を越された感じがしたのを覚えています。歌詞は二人で書いていて、アルバムの中で分かれていた女の子の目線と男の子の目線が最後の曲で同じ曲の中にあるっていう感じです。名曲だ!