Tracks for New Neighbors
【 NEW NEIGHBORS Note Book 】
Color: GREEN / BROWN
Size: A5
Page: 288
Design by サヌキナオヤ
【 Zine Vol.2 We Talking About “MURRAY”】
降矢聡(Gucchi's Free School)
Colliu
竹村武司
原田晃行 (ハイハワユ?)
福富優樹
シャムキャッツ
ミツメ(川辺素、nakayaan)
サヌキナオヤ
Homecomings
印刷 / なぎ食堂
デザイン / 宮崎希沙
今年の2月、僕たち(つまりHomecomingsとサヌキさん)は「New Neighbors」というイベントを始めました。それは「アメリカン・スリープオーバー」という一本のささやかな、それでいて強く不思議な力を持った映画に導かれるようにして起きた出来事でした。彩加さんがたまたま東京でこの「アメリカン・スリープオーバー」を観たこと、そのエンディングで流れたのが「Saddest Story Ever Told」だったこと、ちょうどその頃、「アメリカン・スリープオーバー」の配給をしていたGucchi's Free Schoolが発行した「ムービーマヨネーズ」を僕が手に取ったこと、そしてそのGucchi's Free Schoolが力を貸してくれたこと、会場となったみなみ会館が企画を快諾してくれたこと、サヌキさんが学生時代にみなみ会館で「パンチドランク・ラヴ」を観たこと、まだ他にもたくさんの小さな偶然が集まってできたこのイベントは、僕たち自身にとってとても大事で、大きな一つの出来事となりました。映画も音楽もそれ自体が魔法のように見えて、実は魔法を呼び起こす装置のようなものなんじゃないかな、と思います。誰かの心に触れるのをそっと待っているような。あの日、映画が終わって外の空気を吸いにみなみ会館の外に出た時の暖かくて不思議な気持ち、ぐっと伸びをして深呼吸した時の胸のざわざわ。まだお客さんがまばらに残っている館内のドアを開けた時、暖房の匂いと一緒に、いくつもの魔法の残り火のようなものを感じました。今回は僕がとても大切にしている映画を上映します。誰にも教えずに自分だけの大事なものにしておきたかったけど、案外たくさんの人がそう思っているのかもしれません。1度観たことがある人も、2度も3度も観たことがある人も、なんだったら僕みたいに部屋の棚にDVDがふたつも置いてある人も、そしてまだ観たことがない人も是非楽しんでもらえると嬉しいです。11月、きーんとした夜の空にいくつもの魔法の後が白く消えていくのが今からとても楽しみです。
/ 福富優樹(Homecomings)